ぬばたまの闇に浮かぶは白き月 闇深きこそ冴えわたるかな
滴塵019
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要点
闇の深さがあるからこそ、月の光の清らかさが際立つ。 現代語訳
漆黒の闇に白い月が浮かぶ。闇が深いからこそ月はひときわ冴えて輝く。 注釈
解説
この和歌は単なる自然描写にとどまらず、闇の深さが光の純粋さを引き立てるという逆説を示している。仏道的には「煩悩が深ければ深いほど悟りの光は強く顕れる」ことを示唆し、精神的象徴性を持つ。自然詠のかたちを借りながら、同時に哲理を帯びた歌であり、風景と心象が重ねられた佳品といえる。 深掘り_嵯峨
この歌は、真理や希望の現れ方について述べている、哲学的な一首です。